玄米糖尿病の予防にも効果を発揮する食材だと思われます。

 その理由としては、まず、玄米は白米に比べてGI(グリセミック・インデックス)値が低いことが挙げられます。GIとは、最も血糖が上昇しやすいグルコースを摂取した際の、血糖上昇を100として、各食品の血糖の上昇が、グルコースの何%にあたるかを数値で出したものです。この値が、玄米は白米よりも低く、血糖値の上昇の仕方がゆるやかであることが分かっています。

 また、炭水化物の質を表すのが、GIであるのに対し、炭水化物の量も考慮して示すGL(グリセミック・ロード)という値もあります。この値は、100g中に含まれる糖質量にGI値のパーセンテージをかけることで表すことが出来ます。

 独立行政法人国立がん研究センターが行う多目的コホート研究と呼ばれる調査では、食事のGL値が高いほど、糖尿病の危険性が高くなるといった傾向が、女性において見られたそうです。また、男性は脂質の摂取量が多く、食事の平均GI値が高ければ高いほど、糖尿病の危険性が高くなることが分かったそうです。

 しかし、女性の糖尿病の発症と関係があるとされるこのGL値も、主食を白米の代わりに玄米にすることで、かなり下げることが可能だとされています。(参考 西島千陽「マクロビオティック実践者から学ぶ玄米健康法」『玄米のエビデンス』 キラジェンヌ)

 それに加え、玄米に含まれるγ(ガンマ)‐オリザノールも、糖尿病に対して効果を発揮するとされています。

 琉球大学大学院医学研究科の益崎裕章教授と同大学院医学研究科所属で日本学術振興会特別研究員の小塚智沙代氏らの研究チームは、マウス実験で、γ(ガンマ)‐オリザノールが小胞体ストレスを抑制し、β細胞に直接作用して細胞死を抑え、インスリン分泌能を高めるはたらきがあることを発見したと言います。

 また、γ(ガンマ)‐オリザノールは、血糖値を上げるグルカゴンの分泌も抑えたそうです。

 さらに、生活習慣病ではない糖尿病を想定し、ストレプトゾトシンを投与し膵臓を壊して糖尿病にしたマウスを使用した実験においても、γ(ガンマ)‐オリザノールを与えるとβ細胞の数が増加し、インスリンの分泌量が増えることを確かめたと言います。

 このような研究結果も鑑みると、玄米は糖尿病を抑制する食材として、高い効果を発揮することが期待出来るように思います。

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