玄米パワーと免疫力

玄米は栄養成分が豊富に含まれ、健康に良いとされていますが、その玄米に
秘められているちからと、免疫力効果や生活習慣病予防効果について探っていきたいと思います。

カテゴリ: 免疫力効果

この記事では玄米リブレフラワーの免疫力効果について述べています。

玄米の糠(ぬか)にはビタミンEやビタミンB群などのビタミン類、、鉄や亜鉛などのミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれており、白米に比べると栄養素が数倍も多いとされていますが、アブシジン酸の問題などがあります。

また、食べにくい、消化しにくいといった問題もあり、玄米を栄養食として摂るのに、抵抗がある方も多いと思われます。

しかし、玄米リブレフラワーであれば、玄米の難点が見事に解消されているため、優れた栄養食として、毎日の食生活に簡単に採り入れることが可能です。

リブレフラワーは、独自製法で高温焙煎し、25ミクロンに微粉末化した玄米です。

この玄米リブレフラワーのメリットの効用について、酵素栄養学の第一人者として知られている、鶴見隆史氏は以下を挙げています。

  • エネルギーの大幅なアップ

  • ファイトケミカル(フェルラ酸他)が多く出現し抗酸化力を強く持つ

  • フリーラジカルスカベンジャー効果を持つ

  • その穀物の持つ薬効効果の増大

  • 栄養素(ミネラル、ビタミン)の活性化(天日干しの効果)

  • 毒素の腸内吸着素としての働き

  • 食べ方の簡便さ

  • 栄養の吸収率の増大

  • ビタミンEとしての作用

  • さまざまな応用の可能

  • 免疫力の増大作用


(鶴見隆史 『現代版 食物養生法』 p229)

玄米粉の効用


  1. きわめて酸化しにくい

  2. すべての栄養素に破壊がない

  3. デンプンがアルファ化(α化)している

  4. きわめて消化吸収がいい

  5. 強烈な毒素排泄効果

  6. 栄養素(特にミネラル、ビタミン)の活性化

  7. 完全に(一〇〇%)無農薬化している

  8. 食べ方が自由自在

  9. 他の素材と組み合わせるとその欠点が回避される

  10. 低カロリー食品である

  11. ダイオキシン・環境ホルモンの排出作用として一役

(鶴見隆史 『現代版 食物養生法』 より)

特に玄米リブレフラワーは腸内の毒素を排出するデトックス効果が強いとされているため、腸内環境の改善や免疫力のアップにおすすめです。
玄米リブレフラワー
玄米リブレフラワーi



 玄米腸内の環境を改善するのに有効な食材であると思われます。

 その理由は食物繊維が豊富に含まれているからです。食物繊維には、便の構成要素となり、便量を増やす腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、消化物を速やかに移動させたり、発がん物質、有害菌、有害物質を吸着して、便として排泄したりする働きがあります。

 つまり、便秘の予防・改善のために食物繊維は非常に有効な成分だといえるのです。

 近年は、便秘に悩まされる方が多いとされています。では、なぜ便秘をしてしまうのかといえば、その理由には「ストレス」が挙げられます。



 社会生活を営むうえで強い不安や緊張を感じた際、急にお腹が痛くなる経験をしたことがある方は多いと思いますが、なぜお腹が急に痛くなり、下痢などをしてしまうのかといえば、脳と腸は自律神経でつながっているからです。

 自律神経には交感神経と副交感神経があり、緊張した場合には交感神経が優位になり、リラックスした場合には、副交感神経が優位になることはよく知られています。つまり、これから大事な事をやろうとしてアクセルを踏む場合は交感神経を働かせる必要がありますが、身体をゆるめてゆっくりと休みたい時には、副交感神経を働かせなければならないということです。

 しかし、腸の働きに関しては反対に、副交感神経が腸を働かせるアクセルの役割をし、交感神経がブレーキの役割を果たしているのです。分かりやすく言い換えると、強く緊張してしまうと、腸の働きにブレーキがかかり、蠕動(ぜんどう)運動が妨げられるため、便がなかなか排出されなくなってしまうのです。



 先程、便秘の原因がストレスだと述べましたが、その理由は過度のストレスによって自律神経ばかりが優位になり、腸の働きが鈍っているからだと考えられます。

 また、ストレスが長く続くことによって、下痢が数か月のあいだ続くという場合は、腸の機能に問題が生じていることが考えられます。近年、問題にされている「過敏性腸症候群」の可能性もありますので、もしそのような症状に憶えがある方は、医療機関を受診するなど、早めの対策が必要になってきます。

 もうひとつ便秘の原因として「食べ過ぎ」があります。近年は、飽食の傾向による食べ過ぎが、腸内環境を悪化させるとして非常に問題になってきています。

 普段、私たちが摂取している糖質・タンパク質・脂質といった三大栄養素は、胃液や膵液に含まれている酵素が消化・分解し、分子レベルにまで細かくなることで小腸から吸収されているのですが、あまりに胃の中の食べ物が多すぎると、分解が間に合わないため、小腸から吸収されず、腸内に止まり続けることになります。

 このことは「消化不良」と呼ばれますが、糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素が腸内で消化不良を起こすと、「異常発酵」や「腐敗」「酸敗」といった現象を生じさせ、そのことが腸内に毒素や悪玉菌を増やす原因になってしまうのです。また大腸がんの大きな要因にもなってしまいます。

 悪玉菌が増えると、からだ全体の調子が悪くなるのはもちろんのこと、腸内細菌のバランスが崩れることで腸の活発な運動が阻害されますので、便が腸内に止まりやすくなります。



 さらに近年の食生活においては、動物性のたんぱく質や砂糖、トランス脂肪酸、食添加物など、消化に悪い成分が大量に含まれた加工食品やファーストフードが増えていることも、消化不良を引き起こす原因だと考えられています。

 一方、野菜を摂る習慣などが減ってしまうことにより、日本人の食物繊維の摂取量は昔と比べるとだいぶ減ってきています。

 それらのことが便秘に悩まされる方が増えている理由だと考えられますが、食物繊維が豊富に含まれている玄米を食生活に採り入れることは、便秘の予防・改善に有効だと思われます。またそれと同時に、少食を心がけたり、消化しやすいようによく噛んで食べたりすることも腸内環境を改善するためには大切であると感じます。



 しかし玄米の食物繊維を摂るうえで、ひとつ注意点があります。それは、玄米だけで食物繊維を摂らないということです。なぜなら玄米の食物繊維は水に溶けにくい不溶性であるため、玄米だけから食物繊維を摂ろうとすると、かえって便秘になってしまう可能性が考えられるからです。

 そのため、玄米で食物繊維を補おうとする場合は、水溶性の食物繊維もある程度摂ったり、水を普段より多めに飲んだりすることが重要です。


具体的な腸内環境の改善方法については「腸内フローラ改善生活」をご参照ください。


 玄米糖尿病の予防にも効果を発揮する食材だと思われます。

 その理由としては、まず、玄米は白米に比べてGI(グリセミック・インデックス)値が低いことが挙げられます。GIとは、最も血糖が上昇しやすいグルコースを摂取した際の、血糖上昇を100として、各食品の血糖の上昇が、グルコースの何%にあたるかを数値で出したものです。この値が、玄米は白米よりも低く、血糖値の上昇の仕方がゆるやかであることが分かっています。

 また、炭水化物の質を表すのが、GIであるのに対し、炭水化物の量も考慮して示すGL(グリセミック・ロード)という値もあります。この値は、100g中に含まれる糖質量にGI値のパーセンテージをかけることで表すことが出来ます。

 独立行政法人国立がん研究センターが行う多目的コホート研究と呼ばれる調査では、食事のGL値が高いほど、糖尿病の危険性が高くなるといった傾向が、女性において見られたそうです。また、男性は脂質の摂取量が多く、食事の平均GI値が高ければ高いほど、糖尿病の危険性が高くなることが分かったそうです。

 しかし、女性の糖尿病の発症と関係があるとされるこのGL値も、主食を白米の代わりに玄米にすることで、かなり下げることが可能だとされています。(参考 西島千陽「マクロビオティック実践者から学ぶ玄米健康法」『玄米のエビデンス』 キラジェンヌ)

 それに加え、玄米に含まれるγ(ガンマ)‐オリザノールも、糖尿病に対して効果を発揮するとされています。

 琉球大学大学院医学研究科の益崎裕章教授と同大学院医学研究科所属で日本学術振興会特別研究員の小塚智沙代氏らの研究チームは、マウス実験で、γ(ガンマ)‐オリザノールが小胞体ストレスを抑制し、β細胞に直接作用して細胞死を抑え、インスリン分泌能を高めるはたらきがあることを発見したと言います。

 また、γ(ガンマ)‐オリザノールは、血糖値を上げるグルカゴンの分泌も抑えたそうです。

 さらに、生活習慣病ではない糖尿病を想定し、ストレプトゾトシンを投与し膵臓を壊して糖尿病にしたマウスを使用した実験においても、γ(ガンマ)‐オリザノールを与えるとβ細胞の数が増加し、インスリンの分泌量が増えることを確かめたと言います。

 このような研究結果も鑑みると、玄米は糖尿病を抑制する食材として、高い効果を発揮することが期待出来るように思います。

もっちもちで美味しい!寝かせ玄米

 玄米食を口にすると、よく噛むことが必要になりますが、咀嚼の回数が増えることは、免疫力の向上に関して、非常に大切なことのように思います。

 まず、口の中の食べ物を時間をかけてよく噛んで食べることは、満腹感を起こさせる働きがある満腹中枢を刺激することになるため、満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎを抑えることが出来ます。満腹中枢は血糖値が上昇することや神経ヒスタミンと呼ばれるホルモンの分泌量が増えることで刺激されます。

 早食いをする人や柔らかい食べ物をばかりを好む人は、満腹中枢が刺激されて満腹感が得られる前に食べ物を胃の中に詰め込んでしまう傾向があるので、太りやすくなってしまいます。また、肥満症をはじめとした生活習慣病になることで血糖値やコレステロール値が上昇してしまうと、その分、血液中の免疫細胞の働きが鈍くなり、免疫力が低下すると言われています。そのため、よく噛んで食べることが必要になる玄米食は肥満を防ぐのに有効だと言えます。

 それに加え、よく噛むことの真の目的は「造血」にあると言います。『免疫力を高める生活』の西原克成氏によれば、両顎を使ってよく噛むことで、頭蓋骨全体が骨髄造血を促しているのだそうです。

 「造血」とは血液細胞の新陳代謝のことで、古くなった血球が脾臓と肝臓で消化されると、それを補っているのが骨髄での造血の役目であるため、造血は免疫力のかなめなのだと言います。骨髄での造血が滞ると、それだけ細胞の代謝がうまくいかなくなり、様々な病気を引き起こすようになってしまうのです。

 骨髄の造血は、普段、睡眠中にもっともよく行われていますが、よく噛むことも骨髄の造血を促すとされているため、よく噛むことが必要になる玄米は、骨髄の造血を促して免疫力を高めるために一役買ってくれそうです。また、噛む際は、片噛みではなく左右バランス良く歯を使って噛むことが重要です。

 玄米には葉酸が27μg(100g当たり)と、白米より約2.2倍多く含まれています。

 葉酸とは、水溶性のビタミンB群の一種です。ビタミンB12とともに赤血球の合成に働くため、造血のビタミンとも呼ばれています。体内の葉酸のうち約半分が肝臓に蓄積されており、その他は細胞分裂の盛んな組織に多く存在しています。


 葉酸は、たんぱく質や核酸(DNAやRNAの総称)を合成するための約20種類の酵素が働くために必要な補酵素として、重要な役割を果たしています。

 また、細胞増殖が最も盛んに行われる胎児期や幼児期の、健全な発育のために、葉酸は特に重要な栄養素であるとされています。成人にとっても、葉酸はたんぱく質の合成のために必要であり、腸管や口腔内などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症などが起きやすくなります。葉酸は皮膚や粘膜の健康を保つ効果があります。

 さらに葉酸は、動脈硬化を予防する働きがあるとされています。なぜなら葉酸は、体内でビタミンB6やビタミンB12と共に、ホモシステインというアミノ酸をメチオニンやシステインに変換しているため、葉酸が不足してこの働きが正常に行われなくなってしまうと、血液中のホモシステインの量が増えて、血液凝固や血管内皮細胞の機能に影響を与えて、血栓を形成することで動脈硬化の原因になってしまうからです。



 また、ホモシステインは、加齢に伴って血液中の濃度が上昇するとされているため、余分な脂質の摂り過ぎや、動脈硬化など、他の要因と葉酸不足が重なってしまうと、様々な慢性病のリスクが高まる可能性があります。また、脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性もあるため、これら血栓が原因で起こる病気の予防のためにも、葉酸を摂取することが大事だとされています。

 それ以外にも、葉酸は、妊娠前や妊娠中の女性、授乳中の女性にとって非常に重要な栄養素です。妊娠すると、ごく初期の時点で胎児の神経管がつくられますが、葉酸が不足すると、この神経管に障害が出るリスクが高まるとされています。

 そのため、妊娠後ではなく、妊娠を考えている時期にも葉酸を摂取したほうが良いとされています。また、出産後も乳幼児の発育に大きな影響を及ぼすため、授乳中も葉酸を積極的に摂取する必要があるそうです。

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